「三木鶏郎集大成LP」
「三木鶏郎集大成CD/トリローコレクション」より
■三木鶏郎資料室録音テープの技術的背景
当資料室の録音テープの多くは、我が国において磁気録音技術が確立される以前の素材もあり、音質的には良好とはいえません。
初期(昭和25-27年)の資料はアセテートディスク録音を数年後に民生用プレイヤーで再生し、民生用のテープ録音機(東通工P型・ウエブスターシカゴ等)で再録音したものです。アセテートディスクの保存状態も良くなかったようです。
その上に録音テープが初期の紙ベース(東通工/kwタイプ)であり、歳月を経た現在では、ドロップアウト、ベースの変形、ベースの風化による極端な弱化等により、良好な再生は望めませんでした。
その後のプラスティックベースのテープの時代のものも、経年変化によるベースの片伸び、波伸びが著しく、また当時貴重品であったテープを節約するためか9.5cm/S半幅録音が多く、音質を低下させる原因となりました。
昭和29年以降の資料はBTS(放送規格)に準拠したものが多くなりますが、ベースの変形・スプライス部分の固化・スプライスはがれ等と転写の問題は残りました。
また当資料室の録音資料テープは資料保存の意味から、録音特性が不自然なものも、一切補正を行っておりません。
三木鶏郎資料室